日本の未婚率の現状
内閣府のホームページを見てみると、年齢別の未婚率が徐々に上昇していることがわかります。
2015年時点で、
30歳から34歳の男性では男性の2人に1人(47.1%)、
女性の3人に1人(34.6%)が未婚です。
35歳から39歳であれば、男性は3人に1人(35.0%)、
女性は4人に1人(23.9%)が未婚です。
それに応じてもちろん婚姻率は低下しています。
第一次ベビーブームの世代が成人した後、
1970年から1974年にかけては年間100万組が結婚していました。
しかし、その後は婚姻率が下がり、
1978年から2000年までは、年間70万組強が結婚する程度で、
2011年以降は、年間60万組強が結婚しているだけです。
そのため、もちろん少子化が進むこととなり、子供の数が激減している現状です。
結婚する人が減り、さらに子供の数が減っているために日本の年金は将来どうなるか分からない状態となっています。
同時に晩婚化も進んでおり、女性の年齢によっては子どもができにくい、あるいは不妊といった問題を生じさせることがあります。
特に女性は35歳を過ぎると妊娠しにくくなると言われますので、
尚更、少子化を進めやすい社会になりつつあると言えるのです。
女性の社会進出による価値観の変化
未婚率が上がった原因の1つとしては、女性の社会進出が挙げられます。
今までは、女性は大学にいかず、早めに結婚して専業主婦となり、子供を設けて生活すると言うライフスタイルが幸せなものだとされていました。
しかし、女性が大学に通い、働くようになり、女性の幸せは結婚とは言い切れない時代になってきたのです。
女性が男性と並んで仕事をする時代となったにもかかわらず、
女性に対する産休や育休の制度はあまり発達していません。
いくら男女雇用機会均等法が出来上がったとしても、
いまだに女性の産休や育休に対する目線は冷たいと言う現状があります。
そのため、仕事が結婚かを選ばなければならないと言う選択に迫られる女性もおり、
その場合はどうしても仕事を選んでしまうと言う女性もいるのです。
また、いまだに結婚したら女性が男性に合わせて生活をしなければいけないと言う理想論もあります。
もしも遠距離恋愛をしていた場合、結婚をすれば女性が仕事を辞めて男性の方に行かなければいけないと言うことも考えられるのです。
それにより、結婚に踏み切れない女性もたくさんいます。
これに関しては女性が働く環境への理解が必要です。
実際に職場を離れなければならない女性を「無責任」と考える人もいますが、
妊娠や出産は女性にしかできない尊い仕事なのです。
子どもを持つことへの懸念
日本は、世界で最も出産にお金がかからない国だと言われています。
国民健康保険に加入していれば、母子手帳によって妊婦検診がカバーされます。
さらに出産一時金によって数十万円がカバーされ、今や妊娠にも出産にもお金がかかりません。
それなのにもかかわらず、
日本は世界で最も教育費がかかる国の1つでもあります。
子供を1人大学にいかせようと思ったら数千万円かかります。そのため、子供を持つことに躊躇してしまう大人がたくさんいます。
今は不況の時代となり、収入さえもなかなか上がらない時代になりました。
そんな中で、子供を塾に通わせなければならない、
子供を部活に行かせなければならない、
子供を良い大学に行かせなければならない、
などといったプレッシャーに襲われ、子供を育てる自信がなくなってしまうのです。
今は、子供が親の老後の面倒を見ると言う感覚は当たり前ではなくなってきましたが、
同時に子供がいなければ暮らしていけない時代にもなっています。
しかし、その子供を育てるためにお金がかかるから、子育てができないのです。
よって子供はいらないと考える人が増えてしまい、
子供がいらないから、結婚への魅力をなくしてしまう人も多いのです。
もちろん、好きな人とは一緒になりたいと思うのが人間の心理ですが、
特に結婚に興味がない、
適当な結婚相手が見つからないと言う場合は、
子供もいらないし結婚しなくていいや、と言うことになってしまうのです。
不況になったことによる弊害
また、そもそも収入が上がらないから結婚ができないと言う人もいます。
この不況で、男性1人の収入ではなかなか生活しにくいと言う時代になりました。
もちろん、共働きならばなんとでもなると言う夫婦はたくさんいます。
そして、女性が社会進出をしたことにより、
共働きが当たり前の時代になりました。
しかしそんな中にあっても、どうしても男性には奥さんが専業主婦になったとしても問題のないような収入を求める人がたくさんいるのも現状です。
この不況で、収入が上がらず悩む男性もたくさんいます。
夫婦で努力をすれば問題がない金額であったとしても、
男性側に一方的な高い収入を求めるがゆえに、
女性は男性に高い収入を求めすぎて結婚ができない、
男性は女性が求めるような収入がなくて結婚ができない、と言う状態になっています。
婚活をしている男性の95%は、年収が400万円前後と言われています。
それに対して婚活をする多くの女性が、男性に600万円以上の収入を求めており、
中には1000円以上の収入を求める女性も少なくありません。
そのため、そういう女性は何年も婚活を繰り返すこととなり、年収が400万円前後の男性も結婚ができないと言うことになってしまうのです。
良い人を見付けて添い遂げる結婚が幸せである
もちろん、お金のために結婚するわけではありませんし、
当然ながら少子化対策のために結婚すると言う考え方も間違っています。
結婚と言うのは、やはりお互いに「一生を共にしたい」と思う人を見つけ、その人と添い遂げたいと感じてこそ、する価値があるものです。
何も将来が不安だから、お金がないから、少子化対策をしなければなどと考えて結婚する必要はありません。
しかし、婚活と言う言葉が流行っていることからわかるように、やはり結婚には興味があると言う人は多いのです。
結婚したいけれどなかなか結婚相手が見つからないと思う人はたくさんいます。
結婚したいと思うならば、ぜひ結婚相手を見つけて結婚するべきです。
ただ覚えておかなくてはならないのは、
結婚には妥協も必要です。
自分が思う理想ばかりを追求していては、結婚相手は見つかりません。
それは恋愛で見つけた相手であったとしても、
婚活パーティーで見つけた相手であったとしても同じです。
結婚した後であったとしても、妥協しないでは結婚生活は成り立ちません。
そのため、年収や仕事には、ある程度の妥協点を見つける必要があるのです。
また、結婚したいと思う人が躊躇せずに結婚しやすい環境を作っていくことも大切です。